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うれっこ
俺は「うれっこ」だ。

うちの会社は、東京が本社だ。
したがって、俺のいる大阪の部隊は「関西支社」となる。

仕事は、ほとんどが東京で扱っている商品を大阪地場のお客さんに売ることになる。
したがって、「担当商品ありき」の部隊ではなく、「担当客ありき」の部隊、仕事になる。
しかし当社の扱い商品は減るわけではないので、
東京の部隊は「一つの商品をじっくり深く扱っていく」形となり
大阪の部隊は「たくさんの商品をたくさんのお客さんに売りまくる」という形となる。

昔、関西支社の先輩が
「大阪の仕事は皿回しだ。たくさんの仕事を同時にまわし、どれもこれも落ちないように見てなければいけない。回転が落ちてきた皿を見つけて、あっちへいったり、こっちへいったり。。」
と。

選択と集中と言われるように、最近では「見捨てて割ってしまう皿」も意識して作ってはいるが、やはり、それでも相対的に大阪では、一度に回している皿の数は多い。

ありがたいことに、最近様々な引き合いが多く、売れる営業マンには、供給側(東京本社)のラブコールも多くなる。まあ、人生山アリ谷アリなので、あまり浮かれるのも良くないが、まあ、いい時は素直に喜んでいたい。

今日も「うれっこ」な1日をおくり、帰路についた。
阪急梅田の地下街を通っていると、ビタミンBの入った錠剤があったので、最近口内炎で苦しむみかちゃんのために一つ購入、その後阪急構内で、いわゆる「たいこまん(赤あん)」を購入し、みやげにした。

家へつくと、今日は和食。
口が痛いので、刺激の少ないものにしたのだろうか、、と考えながら、
結局いつものように「うまい、うまい」と同じことを繰り返しながら、もぐもぐ食べた。

ビタミン剤の話をし、たいこまんの話をし、彼女が雑誌で見た豪邸の話をし、(ためいきをつき)京都は海老が安いので、やっと海老料理が作れるという話をした。
しばらくすると、急に「ひろは売れっ子ね」と言われた。
仕事の話はしていないつもりだったが、やはり人間、自信がつくとどこか
ひかり輝いているものらしい。

「いや、実はそうなんだ」
照れくさかったが、肯定した。黙っていたつもりではなかった。
「今、売れてるのね」
彼女はいたずらっぽく笑った。
「ああ」
できる旦那というのも、悪くはない。普段「だからダメなのよ」とか「DHAたべなさい!」とか怒られている俺にとって、久々に面目躍如といったところか。
こんな時は、どんな反応をすればいいのだろうか。
慣れない状態というのも困りものだ。

彼女は、じっと俺を見つめていたが、しばらくして急に飽きたような顔をして、
「にゃあちゃん!」と叫びあっちへ行ってしまった。
普段「3のセン」で生きているだけに、こんな時は間が持たない。

食事を終えた後、「2のセン」の笑顔の練習でもしようと思い、鏡の前に行った。
するとTシャツの胸のあたりに、赤い蛍光色のラベルが輝いている。
(恐らく「ビタミン剤」の箱についていたもの)
、、、まあ、こんなこったろうと思った。。

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1999-9-21
by nekomekuri | 2001-01-01 00:21 | ねこかわいがり
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