目が覚めたらいきなりみかちゃんになぐられた。
「どうしたんだ。」と聞くと 「風呂で溺れたのに助けてくれなかった。」 と言う。 事態を整理すると、どうやら夢を見ていたらしい。 夢の中でニョホホンと風呂につかっていたところ 突然湯船の中ですべり、溺れてしまったらしい。 「どうして助けてくれないのよ!!」 と彼女は怒る。 結婚当初ならばあまりの唐突なことに、しばらく呆然とするところだが さすがに最近は慣れたもので、 「いや、悪かった。ちょうどその時用事があったもんで。」 と全く訳の分からない言い訳がすらすらと口から出る。 こういうときはとりあえず謝り、様子を見ることだ。 しばらくは怒っているが、彼女の性格は気まぐれなネコみたいなもんなので 何かのタイミングで興味は全く別の方向へ移る。 この日も怒りながらベッドから起き出し、 「もう!!。。。だいたいひろは××なのよね。。」 などと言いながらリビングの方へ歩いて行ったが 床にいる“ねずみ”を見つけ、突然「にゃあちゃん♪♪」と言ったかと思うと 床にうずくまり、カゴから出して手のひらにのせてニコニコと遊んでいる。 先ほどの怒りは全く忘れてしまったらしい。 俺の日常は突然いわれのないことで殴られたり八つ当たりされたりすることが多いが 慣れれば何てコトはない。 とりあえず「あっ!にゃあちゃんが(巣から)出てきた!」と叫び注意をそらすか、 こんな時のために用意しているプリン、飴、チョコ等をそっと差し出すと さっきまで怒っていたことを忘れることが多い。 この彼女の気まぐれな性格は突然変異だとずっと思っていたのだが 実は遺伝であった。 先日、電話を切った彼女がこう言った。 「ママが怒ってたわよ。」 人として基本的にはなってない俺だが、 それでも彼女の母親を怒らせるようなことはしていないつもりだ。 何か自分では気づかない人間的な欠陥が露呈したのだろうか。 多少は青ざめながら、 「何か悪いことしたっけ?」 とおそるおそるみかちゃんに聞いてみた。 「私の髪の毛を短く切ったじゃない。」 彼女はそう言う。 みかちゃんは髪の長さが腰付近まであり、 それを俺が何のコトワリもなく勝手に切ったとしたら そりゃあ彼女の母親も怒るかもしれない。 モンダイは、今目の前にいる彼女の髪は依然長いという事実である。 事態を整理すると 1 彼女の母親が今朝、目が覚めた。 2 どうも目が覚めるまで夢を見ていた。 3 その夢の中で俺がみかちゃんの髪の毛を乱暴に、バサリと短く切り落とした。 4 それを見ていた彼女の母親は許せなかった。 5 そこで目が覚めるなり田舎から我が家に電話してきた。 6 そして開口一番「なんてひどい人なの!」と言い、 いかに俺が悪いヤツかということを散々しゃべっていたらしい。。 ・・・全くいわれがない。 俺も大変だが、彼女の父親も相当大変にちがいない。 今思えば誰かが、みかちゃんもしくは彼女の母親のことを“極楽とんぼ”と評していたが どちらのことを指していてもおかしくはない。 男には様々な人生がある。 「いわれもなく怒られる男の会」結成予定。 P.S. この文章を彼女の母親が発見しないことを祈る。 2000-3-28
by nekomekuri
| 2001-01-01 00:27
| ねこかわいがり
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