料理をする上で最も重視する点は、「費用と時間がかからないこと」
という、みかちゃんとは対極にある私であるが、その昔、彼女に おいしい、と言わせた輝かしい(?)経歴も持つ。 ある日電話をしてみると、風邪をひいたんだかなんだかよれよれになっていて、聞けば2,3日ろくにごはんも食べていないらしい。 まだ彼女が結婚前で一人暮らしだったころ。 これはだめだ、ほっといたらこいつはさらに何日も食べないに違いない、とまだ7ヶ月くらいだった長女をおぶって、電車に乗って練馬のマンションへ。 インターフォンを押すと、寝間着のまま幽霊のように出てきた。 「何食べる?」 「うーん」 聞くだけ無駄だった。 健康なときでさえ、迷って迷って決まらないのにこんな状態の時に返事が返ってくるとは思えない。 「うどんは?うどん」 「うん。」 子どもとみかちゃんを置いて、近所のスーパーでうどんと卵、もしかしたらかまぼこも買ったかもしれないな、とにかくそのあたりの買い物をして冷蔵庫にあっただしを使って、「月見うどん」をつくった。 とりあえず半分よそってみかちゃんに出すと 「おいしいねえ、おうどんってこんなにおいしかったかねえ」 と言って食べている。 ああよかった、食べればなんとかなる。 そこで長女が泣き出したので、おっぱいを飲ませて、ふと彼女をみると自分で鍋をさらえて食べ尽くしている。 やっとおなかがすいていることに気がついたらしい。 そうやって落ち着いたところで 「ねえ、だれか看病とかしてくれる人、いないの?」 と聞いてみた。 「うーん、いることはいるんだけど、なんか勘違いしてるみたいで 『具合が悪いんだけど』っていうと、リポDとかまむしドリンクとか10本くらい持ってきてくれるのよね・・・」 と、相変わらずのへの字まゆで困っている。 ひろちゃんとの結婚式を8ヶ月後くらいに控えた頃だったろうか。 その勘違いなヒトの名前は、結局聞かずじまいだったが。
by nekomekuri
| 2001-01-01 00:25
| ねこの手
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